軽やかで上品なイメージのサイドボード「Natante(ナタンテ)」

細身のレッグで大きく浮かせた本体、収納部の納まりをインセットにし見えがかりを薄くした本体枠など、イーゼルに掛けられた一枚の額絵を思わせるデザイン。留組みの本体枠、内装に桐材を使い「四方蟻組」や「6mmベタ底」で作る引出など、繊細なディテールの裏には高度な木工加工技術が隠されています。

見る角度で色が薄く見えたり濃く見えたりするのも天然木の特徴。一般的には木取りがしやすいよう扉は天地方向、引出は水平方向に木目を取るのに対し、「Natante」はすべて水平方向に木目を通して木取り。これを実現するには引出の高さの材を一旦矧ぎ合わせてテーブルのように大きな板にし、それを4つに割りつけ、引出部分は矧ぎ合わせたものを再度カットしなくてはいけません。手間は掛かりますが、出来上がった製品はすっきり整った印象になります。※画像は引き出しの杯数を３段に変更しております。

扉や引出を本体箱の内側に設定するインセットの納まり。一般的な「かぶせ」の納まりに比べると逃げが利かないため気は使いますが、扉や前板の厚みが見えないのですっきりした印象にできます。また、本体箱の露出する木端部分のみを薄くすることで、見えがかりの印象を上品で繊細なイメージに仕上げています。箱の接合には難易度の高い斜め45°で合わせる「留(とめ)」の納まりを採用しています。※画像は引き出しの杯数を３段に変更しております。

円筒形で飽きのこないシンプルなデザインです。
真鍮は、 銅と亜鉛の合金で錆びにくく見た目も美しいことが特徴です。
また真鍮素材は天然木同様に経年変化により色味が変化するため愛着も増します。

引出の内装には調湿性に優れた桐材を用い、蟻組やベタ底など伝統的な木工の仕口(しくち)を採用し熟練の家具職人が手掛けています。蟻組とは互いの木口を蟻の頭のような台形に加工し、立体パズルのように組み合わせる仕口。廉価な量産品に見られる簡易のダボ組のように簡単に前板が外れてしまうこともなく堅牢なつくり。見た目だけでなく素材や構造も吟味して作るのが私たちの家具です。