2023.10.03
あなたに最適な椅子選び
中川店の松崎です、こんにちは。
中川店では10/15(日)まで「一枚板テーブル展&ダイニングフェア」を開催中。
イベント詳細は下記バナーリンク先から。
今日は椅子選びについて少しお話を。
みなさん、ダイニングチェアと聞かれてどんなデザインのものを思い浮かべますか?
技術の向上やライフスタイルの多様化などを背景に、現代ではいろいろなデザインのチェアが見られます。
チェアは構造により座り心地が異なるので用途によって向き不向きが変わってきますし、デザインの違いも見た目だけでなく使い勝手に影響を与えます。
買ってから「失敗した」なんてことにならないよう、あなたに最適なチェア選びの参考となれば幸いです。
アームの有無
デザイン上の大きな違いといえば、アームのあるなしが挙げられます。
ひとくちにアームチェアと言っても、昔からある長いアームのものから、最近では半分程度の短いものまで種類が豊富。
現在主流の3タイプに大別して特徴もご説明します。
フルアーム
手のひらまできちんと置くことができるフルアームはくつろげる角度・寸法設計にしてあることが多く、休息用途にも適したものである傾向が強いです。
構造的に前脚を伸ばした先にアームを接続する仕様が多いので、太ももの両脇を囲まれる形になります。出入りの際にチェアを全部引き出さないと立ち居が困難なため、チェアの引き代スペースを大きく必要としたり、幅がコンパクトなモデルは股を開いて座ることが多い男性にとって窮屈に感じやすかったりする点が挙げられる。
食事だけでなくダイニングでくつろいで過ごす時間が長い方、立ち居が少なく出入りのしやすさがあまり重要でない方に向いた設計。
ハーフアーム
アームの長さを短くすることで休息用途にも適した設計にしながら、フルアームのデメリットである出入りのしやすさを改善しているのが特徴。
チェアを少し引いて横に逃げやすいデザインのため、チェアを引くスペースも最小限ですみ、立ち居が多い傾向の女性にも便利。
フルアームと違い太もも脇が囲まれないため股を開いて座ることが多い男性でもゆったり過ごしやすく、横を向きやすいデザインなのでダイニングから振り返ってテレビを見る位置関係などで使い勝手が良い。
幕板付きデザインのテーブルと合わせたときにアームが干渉しづらいためチェアをテーブルに寄せて収納しやすいのも利点。
アームレス
アームがないので休息用途にはやや不向きなものの、立ち居を妨げるパーツがないためもっとも出入りがスムーズなデザイン。
ダイニングでは食事中心で食後はすぐにソファへ移動する方、立ち居が多い女性など出入りのしやすさを重視する方には最適な設計。
余分なパーツがないためコンパクト・軽量で扱いやすく、見た目の圧迫感がないのも利点。
アームがあるものと比べると材料比率が小さくすみ、作業工程も少なくできるため製品価格を抑えやすいのもメリット。
座面の構造
外見では判別しづらい内部構造の違いが座り心地に大きく影響を与えます。
こちらも食事を中心とした作業用途、くつろいでも過ごす休息用途と、過ごし方により向き不向きが変わってきます。
板座
板座をセレクトされる方の多くがポイントとして挙げられるのが「張替不要」であること。
張座の場合、表面材は消耗パーツなのでいずれ擦れて破れるなど張替のタイミングがやってきます。板座の場合はそれがないので張替の心配をしないで済むことや、オイル仕上げであればキズや汚れはサンドペーパーで研磨してご自身で綺麗にできるのも利点。
座ぐり加工でお尻にフィットする形状にしてあるものの、座面自体にクッション性があるわけではないため長時間座ると底付き感が出やすい。
また、構造的に総重量が大きくなりやすく、女性や高齢の方には扱いづらくなるケースも。立ち居が多い方は出入りのしやすい回転式がオススメ。
薄張り
市販のチェアでもっとも採用されている構造。
積層合板などを芯材としその上にウレタンを敷き、布などの生地で張り包み化粧します。
板座に比べると詰物がある分クッション性はありますが、ウレタンだけで荷重を支える構造なので底付き感が出やすい点も。
ウレタンへの負担が大きいため消耗しやすく、いわゆる「へたり」が出やすいとも言えます。
一方で構造がシンプルなため製造や張替に掛かるコストを抑えやすいのは利点になります。
いろんな用途に向く汎用性が高い構造。
クッションボトム
ダイメトロールやジェムストーンに代表される弾性の高い「布バネ」や伸縮性のあるエラスティックベルトを格子状に編み込む「ウェビング」など、クッション性を備えたボトム構造。
トランポリンのようにお尻の形に受けるため底付き感が出にくく、積層合板を使用しない分軽量化も図りやすい。女性や高齢者でも扱いやすい軽いものが多く、掃除の際など移動も簡単。
一般的には上にウレタン層を設けたものが多いですが、荷重を分散して支えるため表層のウレタンの消耗を軽減する効果もあります。
座面のクッション性が高いのでダイニングで長い時間を過ごすスタイルの方にオススメ。
一方で、シンプルな薄張りに比べると、部材や工程数が増えるため製造コストが上がりやすい。
くつろいだ姿勢でチェアに長い時間座る方や軽量で扱いやすいことの優先順位を高く考える方にオススメ。
複合ボトム
座面下のフレーム全面を布バネやウェビングで構成するクッションボトムタイプとは少し異なり、芯材に積層合板を用いながらお尻が載る部分をくり抜き、そこに布バネなどを張った構造。
前述のクッションボトムは構造的に座面がフレームに囲まれる「インセット」の納まりとなり、とくに太もも裏あたりで当たりが強く出やすい特徴があります。
複合タイプは基本構造が薄張りなのでフレームの上にかぶさる納まりで座面の端まで詰物があるため太もも裏の当たりは優しく、中央部はお尻の形に受ける仕組みなので底付き感が出にくい。
単純な薄張りと比べ構造が複雑になるので製造コストはやや上がりやすいが、比較的軽量なことや座り心地の向上などが利点。
くつろいだ姿勢で過ごす時間が長い方で掛け心地重視、軽さは最重要ではない方にオススメ。
背もたれの構造
線状デザイン
細身のパーツでデザインされた笠木は見た目が軽やかなので、テーブルに合わせたときの後姿はすっきりした印象。
また、パーツが細身なので総重量は軽いものとしやすく扱いやすい重さのチェアが多い。
背中との接触面積が小さくなるため、広い面で受けるデザインと比べてやや当たりが強く、くいこむ感触が出やすい特徴があります。
用途がお食事中心の方や見た目の圧迫感がない方が良い方にオススメのタイプ。
面状デザイン
線状デザインのチェアと比べて広い面で受けるため、背中との接触面積が広く当たりが優しいので背当たり良いのが特徴。
笠木を大きくするほど材料比率が増えますし、曲木や削り出しなどの加工を伴うものは高い技術が必要で工程数も増えることから、細身のものと比べて製造コストは少し上がりやすい。
食事だけでなく、食後もくつろいで過ごす時間が長い方は背当たりが良い面状タイプがオススメです。くわえて座面がクッション性の高い仕様であればより休息性の高いチェアとなります。
背張りデザイン
背もたれ部分にもウレタンなどの詰物を入れることでクッション性を付加したタイプ。
食事だけでなく、食後もくつろいで過ごす時間が長い方にオススメの仕様。
チェアを動かす際に背もたれ部分に手を掛けることが多いので、汚れに強い・お手入れしやすい生地で検討したり、フレームに手を掛けやすい工夫があるデザインでセレクトするとベター。
座面だけ張るデザインと比べると張替コストが高くなるので、将来的なことも考慮して選ばれると良いです。
座面高調整について
チェアの座面高は初期設定が男性寄りになっていることが多く、小柄な女性にそのままご用意すると床に足が着かないケースがあります。
足が浮いた状態は自重により太もも裏が圧迫を受ける状態のため、長く座っていられません。
当店は靴を脱いでご自宅に近い環境でお試しいただけるよう工夫しておりますが、適切な座面高をチェックする目的があります。靴を履いたまま試してちょうど良くても、実生活はソールやヒール分下がるので足が浮いてしまいます。とくに女性が椅子選びで失敗しやすい理由ですね。
当店では使う方にあわせてチェアの脚カットによる座面高調整が可能です。
靴や服をフィッティングして選ぶように、体に触れる道具であるチェアもあなたにあわせてご用意いたします。
詳細はショップスタッフまで。
チェアラインナップ
中川店でお試しいただけるチェアたち。
ご紹介は一部、他にもいろいろご覧いただけますのでぜひ店頭で。
チェアをお探しの方はぜひこれらの特徴を参考に、当店で座り比べながらご自身にぴったりなものを見つけてください。